大都市で働くITエンジニアのなかには、「地元に戻って働きたい」「地方でゆったり暮らしたい」という人もいるのではないでしょうか。
なかでも、綺麗な海と暖かい気候に恵まれた沖縄県は、生まれ育った街に戻る「Uターン」の割合が高く70%にもなるといわれています。Uターン転職以外にも、出身地で勤務したのち他府県に移住して働く「Iターン」にも助成金がでるなどの環境が整っています。
さらに、近年沖縄にはソフトウェア開発やコンテンツ制作をはじめとするIT企業が増えており、エンジニアにとって移住の追い風が吹いているともいえます。
今回は、沖縄県への移住を検討しているITエンジニアに向けて、仕事の探し方やエンジニアコミュニティなどを紹介します。沖縄県のITエンジニアの平均年収についても解説しているので、Uターン・Iターンを検討している人もぜひ参考にしてください。
Contents
沖縄県の魅力とは?

沖縄県は県庁所在地の那覇市がある沖縄本島をはじめ、宮古島や石垣島など多くの島々があります。県民の約9割が沖縄本島に住んでおり、さらに中南部には県人口の約8割が集中しています。
そのため、沖縄本島以外の島では比較的ゆったりとした空気が流れていますが、島の中心部である那覇市では東京・名古屋・大阪に匹敵するほど人口密度が高く、活気にあふれる街を楽しむことができるでしょう。
世界遺産の「首里城公園」や、同じく世界遺産に登録されている「識名園(しきなえん)」、歩くだけでも楽しい国際通りや屋台村など、観光スポットもたくさんあります。
自然環境が豊富で冬でも10度以下になることは滅多になく、1年中過ごしやすい気候も住み心地のよい理由の1つです。また、つらい花粉症で悩む人も多いスギやヒノキがなく、「花粉症が楽になった」という人もいるようです。
沖縄県の1R〜1DKの家賃相場は、那覇市4.89万円・沖縄市4.19万円、またファミリー層に人気の3LDK〜4LDKの家賃相場は那覇市12.49万・沖縄市6.07万円となっています。(参考:ホームメイト)
沖縄県のITエンジニアの平均年収

ここからは、沖縄県のITエンジニアの平均年収を紹介していきます。以下は、2019年の賃金構造基本統計調査表から沖縄県のシステムエンジニア(SE)とプログラマーを抜き出したものです。
平均年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 平均月収 | 平均賞与 | 平均年収 | |
システムエンジニア | 38.4歳 | 9.4年 | 150時間 | 28万0000円 | 46万9000円 | 382万9000円 |
プログラマー | 33.2歳 | 2.7年 | 154時間 | 25万4000円 | 25万1000円 | 329万9000円 |
(参考:e-Stat 賃金構造基本統計調査)
沖縄は最低賃金が日本一低いことでも有名で、ITエンジニアの平均年収をみても他府県と比べて低い傾向にあります。(同調査2019年のシステムエンジニアの全国平均年収は568万9000円となっています)
その背景には、大企業の母数や製造業の比率の少なさなどが関係していると考えられています。また、沖縄県の家賃は比較的低いものの、その他の物価が大幅に低いわけではありません。
そのため転職先企業の給料はシビアに捉え、「どのような暮らしをしていきたいか」をしっかりとイメージしておくことが大切です。
沖縄県に住みながらフリーランスエンジニアとして働く選択肢
沖縄県へのUターンやIターンを検討している人のなかには、フリーランスへの独立を視野に入れている人もいるかもしれません。近年沖縄ではIT産業が盛り上がっており、会社に縛られない自由な働き方を目指す人にも嬉しい環境が整えられています。
というのも、沖縄県ではIT産業を「戦略産業」として事業の振興を進め、2011年から2020年にかけて約2倍も立地企業数が増えており、その数は2020年1月時点で490社にものぼっています。

(引用:IT・金融の企業集積が進む沖縄)
また、「ISOCO(沖縄ITイノベーション戦略センター)」やアジアのITとの架け橋となる施設「沖縄IT津梁パーク」の設置など、産業全体の生産性と国際競争力向上を官民の両面から推進しています。
環境を整え、今や日本有数のIT企業集積地となっている沖縄県は、人件費や家賃の低さからニアショア開発の代表的な拠点ともなっています。また、ソフトウェア開発やIoT利活用、スタートアップ支援なども充実しており、IT人材の育成にも力を入れています。
このような流れから沖縄に移住するITエンジニアも多く、なかには「ギーグハウス沖縄」のようにエンジニアが集まるシェアハウスに住む人もいます。沖縄の企業に就職すると収入が下がるのが不安な人でも、東京からのリモート案件を受けることで給料はキープしたままの移住も可能です。
ITエンジニアは職種によってリモートで完結する業務も多く、必ずしも居住地の企業に転職しなければならないということはありません。沖縄へ移住して収入が下がることを不安に感じる人は、フリーランスエンジニアとしての働き方を検討してみるのも良いでしょう。
フリーランスエンジニアの始め方はこちらの記事を参考にしてください。
沖縄県でのITエンジニア求人の探し方

沖縄県に移住し、さらに転職する場合、どのように仕事を探せば良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。最近ではインターネットを使って転職活動する人も多く、検索してみるとたくさんの求人・転職情報をみることができます。
そのなかでも今回は、沖縄県でのITエンジニア求人の探し方として、以下の3つの方法を紹介します。
- 求人サイトを利用する
- エージェントに登録する
- 元同僚や知人に紹介してもらう
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
求人サイトを利用する
求人サイトはたくさんありますが、それぞれのサイトによって強みが異なるため、ITエンジニア求人の多いサイトを使いましょう。ここでは、数ある求人サイトのなかから、沖縄県のITエンジニア求人が豊富なサイトを2つ紹介します。
indeed・・indeedは一般的な求人サイトとは異なり、求人情報のみをまとめて検索できる便利な検索エンジンです。大企業から中小企業まで、さまざまな求人を豊富に掲載しており、多くの求人で情報が丁寧に記載されているため、じっくり探すことができます。
ゲーム・アプリエンジニアからAWSエンジニア、セキュリティエンジニア、テストエンジニアなど幅広く、フルリモートの求人も多数掲載されています。
マイナビ転職・・マイナビ転職は、日本最大級のIT・Webエンジニア求人サーチです。2022年6月時点で沖縄県(沖縄県以外も含む)で募集中の求人数は422件。九州や沖縄エリア限定の求人や首都圏に拠点を持つクライアントのフルリモートなど、自分にあう求人を探しやすいのが特徴です。
転職エージェントに登録する
「求人情報を見ても、どこが良いのかわからない」と悩むエンジニアは少なくありません。とくに遠方の企業となると、より選びにくくなってしまいます。そこで、転職相談ができる転職エージェントを利用する方法もあります。
沖縄を拠点とする転職エージェントはいくつかありますが、ここではIT業界に特化した転職エージェントを2つ紹介します。
ITキャリア沖縄
ITキャリア沖縄は、沖縄県内のIT・Web業界に特化した転職支援サービスです。給与の地域格差がない企業の求人や、沖縄県内のIT企業の最新求人情報も掲載。
U・Iターンを希望するITエンジニアに向けてキャリア相談から内定、さらに移住まで徹底的にサポートしてくれます。通常の転職サイトではカバーできない部分まで相談に乗ってくれるので、U・Iターン転職をスムーズにおこなうことができるでしょう。
ITキャリア沖縄の詳細はこちら
リージョナルキャリア沖縄
リージョナルキャリア沖縄は、地域密着型の転職・キャリア支援をおこなっているサービスです。大都市圏からのU・Iターンへのサポートに手厚く、転職までゆっくり考えたい人でも相談することができます。
90%以上が沖縄を本社とする企業の正社員求人で、独自に付き合いのある地元企業も多数掲載されています。2022年6月時点のエンジニアの求人数は122件となっており、なかにはフルリモートで首都圏並みの想定年収の求人もあります。
リージョナルキャリア沖縄の詳細はこちら
元同僚や知人に紹介してもらう
エンジニア関係のつながりで沖縄のIT企業に詳しい人がいれば、相談してみるのも1つの方法です。転職する場合、どのような企業がおすすめかなど、少しでも目安になる話が聞けるとイメージも湧きやすくなるでしょう。
転職して正社員エンジニアを目指す場合も、フリーランスエンジニアを目指す場合も、人脈は重要なポイントとなります。特にフリーランスエンジニアの場合、横のつながりでクライアントや案件を紹介してもらえるケースも少なくありません。
スキルや実力がない状態での独立は苦労する可能性もありますが、自分の実力を把握している状態であれば、周りの人に声をかけてみるとよいでしょう。
沖縄県のエンジニアコミュニティを紹介

沖縄への移住の際、職探し以外にもコミュニティの有無が気になる人もいるのではないでしょうか。すでに有名コミュニティに入っている人でも、沖縄で開催されるイベントや地域情報などを入手するためにも、沖縄のエンジニアコミュニティもチェックしておきたいものです。
ここでは、沖縄県にあるエンジニアのコミュニティを2つ紹介します。
ちゅらデータ
ちゅらデータは、データ活用に関するコンサルティングや受託分析、システム開発などを行なっている会社です。勉強会やLT大会、ISUCON練習会などを月1回程度のペースでおこなっています。
開催しているのは沖縄県宜野湾市に本社をもつ企業のため、積極的に参加して人脈を広げてみるのもよいでしょう。
ちゅらデータのイベント詳細はこちら
CODE BASE OKINAWA
CODE BASE OKINAWAは、「宜野湾西海岸を、ITビーチに!」というコンセプトを持つラボスペースです。宜野湾市にあるITラボスペースは、プログラミング教室やコワーキングスペースとしてなど、ITスキルを身に付けたい人からすでにエンジニアとして活動している人まで幅広く利用できます。
主にプログラミング教室の卒業生を対象としたイベントを毎月開催していますが、沖縄最大級のエンジニア向けTechイベント「Tech BASE Okinawa」を主催するなど、沖縄のITを盛り上げているコミュニティの1つです。
CODE BASE OKINAWAのイベント詳細はこちら
沖縄県に住みながらフリーランスエンジニア案件を探すならBizlink

沖縄県に移住するタイミングでフリーランスエンジニアとして独立したいと考えている人には、Bizlinkの利用がおすすめです。
BizIinkでは、一般的なフリーランスエンジニアのエージェントとは異なり、報酬の中抜きをなくすシステムを構築しています。そのため、エンジニアはスキルと希望条件にあった案件の紹介が受けられて、さらに高単価の報酬を受け取ることができます。
案件探しや企業との条件交渉は専任のコンサルタントがおこなってくれるため、営業で悩む必要もありません。また、契約関連の事務代行や確定申告サポート、福利厚生などをITフリーランス協会を通じて受けることができ、働きやすい環境へのサポートも受けられます。
無料登録はこちらから、必要事項を入力するだけで完了します。沖縄に住みながら首都圏のフルリモート案件を探したい人は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
「沖縄県の豊かな自然のなかでスローライフを楽しみたい」と考える人も多いでしょう。幸いにもITエンジニアは、業務さえできればどこにいても仕事ができる職業です。
沖縄県ではIT産業に力を入れているという地盤があり、さらにUターン・Iターンでの転職をサポートしてくれるサービスもあります。IT企業の誘致に成功している沖縄県は、ゆったりとした暮らしを求めるITエンジニアにぴったりな地方といえます。
沖縄県への移住を検討しているITエンジニアは、正社員での転職・フリーランスへの独立など視野を広く持ち、あらゆる選択肢を事前に検討しておきましょう。
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