会社員からフリーランスエンジニアになると、働き方だけではなく加入すべき保険や年金なども変わります。また、基本的には会社員よりもフリーランスや個人事業主が納める金額の方が高くなるため、節税も視野に入れておく必要があるでしょう。
近年ではフリーランス向けの福利厚生や保険サービスを提供する団体も増えており、上手に活用することで高額な保険料をおさえることに期待できます。
本記事では、フリーランスや個人事業主向けのサービスを提供する「フリーランス協会」と「ITフリーランス協会」の健康保険について紹介します。
Contents
フリーランス協会とITフリーランス協会は異なる団体

インターネットで「フリーランス協会」と検索すると、「フリーランス協会」と「ITフリーランス協会」の2つのサイトがヒットします。そのため、両者の違いが気になる人も多いと思います。
結論からお伝えすると、「フリーランス協会」と「ITフリーランス協会」はまったく異なる団体です。まずは両者の違いや特徴、加入するメリット・デメリットをみていきましょう。
フリーランス協会とは?
フリーランス協会は、「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」が運営する非営利団体です。
フリーランス協会には、税務関連や法律相談、キャリア相談、提携先のコワーキングスペースの利用など、フリーランスが安心して働けるさまざまな仕組みが用意されています。
会員には「無料会員」と有料の「一般会員」の2種類あります。
一般会員の年会費は1万円で、入会条件は次のいづれかに当てはまる方です。
- フリーランス(個人事業主ほか、就労形態不問)
- 法人成りした会社経営者(従業員5名以内、アルバイト含む)
- 兼業副業中の会社員
- フリーランスを目指している人
メリット
フリーランス協会に加入すると、以下のようなメリットがあります。
- 協会内でも仕事を探せる
- 提携サービスを優待利用できる
- コワーキングスペースを優待価格で利用できる
- 各種福利厚生が受けられる
- 賠償責任保証が付帯する
- 各種保険に加入できる
フリーランス協会に加入すると、フリーランス協会が保有するデータベース「フリーランスDB」が利用できるようになります。フリーランスDBに自分のプロフィールを登録しておくことで、フリーランスを探している企業から声がかかることも。
そのほかにも、さまざまなサービスが優待価格で利用できたり、万が一のための賠償責任保証や福利厚生を受けることができたり、フリーランスをサポートする仕組みが幅広く整っています。
デメリット
フリーランス協会に入会することで考えられるデメリットは、次のとおりです。
- 費用がかかる
- 一般会員への登録には審査がある
- クレジットカード・デビットカードが必要
フリーランス協会では無料会員として登録できますが、ほとんどのサービスは有料会員である「一般会員」への登録が必要です。
今後フリーランスを目指したいと考えている人であれば、無料会員として様子を見てみることも可能です。しかし、すでにフリーランスとして活動しているのであれば、一般会員でなければあまり活用できるサービスはないでしょう。
一般会員への登録には審査があり、住所が確認できる書類とクレジットカードもしくはデビットカードを用意する必要があるので、注意が必要です。
ITフリーランス協会とは?
ITフリーランス協会は、「株式会社ビズリンク」が運営する一般社団法人です。株式会社ビズリンクはITプロ人材のマッチングプラットフォーム『Bizlink(ビズリンク)』を運営しており、フリーランスエンジニアと企業を結ぶサポートをおこなっています。
ITフリーランス協会の対象者は「フリーランスとして活動するすべての人」で、登録者本人だけでなく家庭も含めたサポートが受けられる点も大きな特徴。加入すると、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
ITフリーランス協会では複数のサービスを提供しているため、必要なサービスを自分で選んで申し込むことができます。具体的なサービス内容は次のとおりです。
- 事務代行サービス
- フリーランス案件紹介
- 確定申告サポート
- 紹介奨励金制度
- 保険加入サポート
ITフリーランス協会は、フリーランスが充実した生活を送ることを目的とした事業です。入会すると、案件探しから事務代行、社会保険加入など幅広いフォローが受けられます。
また、保険加入サポートでは、高額な保険料をおさえる仕組みを導入しているため、年収によっては大幅な節税が可能になるのも嬉しいポイントです。
デメリット
ITフリーランス協会に加入することのデメリットは、次のとおりです。
- 利用するサービスによって費用が発生する
- フリーランス・個人事業主以外は利用できない
ITフリーランス協会で提供されているサービスには、利用の際に費用がかかるものもあります。また、フリーランス・個人事業主以外は利用できないため、「将来的に独立を考えている」会社員の方の登録はできません。
※1ヵ月以内に個人事業主として独立予定であれば申し込み可能
『フリーランス協会』『ITフリーランス協会』は健康保険に入れる?

次に、健康保険への加入について、『フリーランス協会』と『ITフリーランス協会』をそれぞれみていきましょう。まずはフリーランス協会から解説していきます。
『フリーランス協会』の場合
結論からお伝えすると、フリーランス協会では健康保険に加入できません。公式Webサイトには、以下のように掲載されています。
現状フリーランス協会は健康保険組合の制度は有しておりませんので各自治体の国民健康保険にご加入いただくことを前提としております。
現状は保険組合の新設はできないということが国の方針でして、 大きな変革として、働き方に中立な社会保障の制度を求めて、政府とのやりとりを続けております。
https://blog.freelance-jp.org/report_20190515/
その点引き続き応援をいただければ幸いです。 国保の支払い金額への影響は僅かですが協会年会費は経費として売り上げから控除することは可能です。(項目は諸会費など)
https://www.freelance-jp.org/faq/detail/19
こちらの内容のとおり、各自治体の健康保険に加入したうえで、フリーランス協会を利用するということになります。
フリーランス協会で加入できる保険の種類
フリーランス協会で健康保険に加入することはできませんが、希望に応じて次の保険に加入できます。
- 賠償責任保険
- 報酬トラブル弁護士費用保険
- 収入・ケガ・介護の保険
賠償責任保険は、業務遂行中の対物・対人の事故や情報漏洩、著作権侵害、納期遅延の賠償リスクをカバーするものです。
また、報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」は、報酬未払いトラブルで弁護士対応をおこなう際、相談料や着手金、訴訟費用など必要な費用を負担してくれるので、案件受注の際にも安心です。
『ITフリーランス協会』の場合
一方、ITフリーランス協会には「みん社保」という、フリーランス向けの社会保険加入サービスがあります。
「みん社保」は健康保険と厚生年金を含む社会保険に月額43,000円で加入できるという、とてもお得なサービスです。
フリーランスが加入しなければならない国民健康保険や国民年金は、本人が全額負担しなければならない上に、受給額は最低限度額と、フリーランスに優しい制度とはいえません。
また、収入に応じて健康保険料や税金額が上がるため、「稼いだ分だけ高額になる」というシステムです。
「みん社保」では、保険料を削減してフリーランスへの負担を減らす仕組みを整えています。さらにフリーランス本人だけでなく、家族の保険料と年金の支払いが0円になるので、世帯所得によっては年間100万円以上削減となるケースもあります。
ただし、フリーランスであれば誰でも保険料が削減できるわけではなく、目安として「昨年の事業所得が320万円以上」に該当する場合のみという点に注意が必要です。
また、事業所得が320万円以上でも、何らかの減免措置などを受けている場合は保険料の軽減にならない可能性もあります。
どの程度削減できるかは所得や個人の状況によって異なるため、興味のある方は「個別無料相談」にまず申し込んでみてください。
みん社保の詳細はこちらから
「みん社保」の対象者と申し込み方法
「みん社保」の対象者は、次の項目に該当する方です。
- 20歳~65歳
- 個人事業主(または、1か月以内に個人事業主として独立予定である)
サービスを申し込むと専任のコンサルタントとの無料相談が受けられて、その際に詳しい仕組みの説明を聞くことができます。もし疑問に感じることがあれば、加入前にすべて質問し解決しておきましょう。
「みん社保」への申し込み手順と手続きの流れは、次のとおりです。
- メールで個別無料相談を申し込む
- 専任コンサルタントと日程調整
- 予約当日、電話・Zoom・対面にて面談実施
専任コンサルタントとの無料相談で、実際にどの程度削減できるのかを伝えられます。その場のシミュレーションでメリットを感じた場合のみ、加入を検討してみましょう。
「みん社保」の社会保険への加入手続きは、専任コンサルタントから送付されるメールに案内が記載されます。その案内に沿って必要事項を記入し、書類を郵送すると手続き完了となります。
よくある質問(Q&A)

ここからは、フリーランスの健康保険や「フリーランス協会」「ITフリーランス協会」についてよくある質問を紹介します。
フリーランスが加入できる健康保険の種類は?
これまで働いてきた会社を退職し、独立してフリーランスになる場合、基本的には「国民健康保険」に加入することになります。
国民健康保険は会社員が加入する健康保険とは異なる保険で、市町村や世帯の被保険者数、収入、年齢によって保険料が算定されます。
また、国民健康保険以外にも「健康保険組合」への加入や、「退職した会社の社会保険を継続する」などの方法も可能です。
詳しくは以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
フリーランスエンジニアが加入できる健康保険|保険料のおさえ方も解説
フリーランス協会・ITフリーランス協会は副業でも加入できる?
まず、フリーランス協会は副業中の会社員や派遣社員でも、無料・一般会員のどちらにも登録可能です。
フリーランス協会への登録時の就労形態は問われませんが、何かしらの雇用関係のある人は、入会時に自動付帯となる「賠償責任保険」の補償の対象外となります。
ス協会は、基本的にフリーランスやパラレルワーカーを対象としたサービスとなります。そのため、今回紹介した「みん社保」でも1ヵ月以内に独立予定としている人を対象としています。
ただし、状況によっては入会できるケースもあるかもしれませんので、一度相談してみるのがおすすめです。
無料会員でも保険の利用は可能?
フリーランス協会で提供されている補償や保険の利用者は、一般会員が対象となります。そのため、無料会員のままでは補償や保険への加入はできません。
また、ITフリーランス協会は独自の仕組みによる保険加入となりますので、専任コンサルタントとの無料相談にて詳細を確認いただく必要があります。
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まとめ
フリーランスになると健康保険や年金、税金などの負担が増え、「想像よりも手取りが少ない」と感じる人も多いです。
昨年の事業所得が320万円以上の場合は、「みん社保」を利用することで保険料の支払いが削減できるかもしれません。
税金や保険料は積み重なると大きな金額になるため、自分に合うサービスを利用して賢く節約につなげましょう。
保険料以外にも、フリーランスは会社員とは異なり、いざというときの補償がありません。
病気や怪我で一時的に働けなくなる可能性も視野に入れ、必要なサービスがあれば事前に検討しておくことをお勧めします。
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