ITエンジニアとしての働き方が以前よりも多様になり、フリーランスや個人事業主として働いている人も多いと思います。フリーランスエンジニアは自分で仕事が選べるため、得意分野で活躍しやすいというメリットがある一方で、会社員のようにある程度決まったキャリアパスがあるわけではないため、「現状維持だけではやや危険」というのも事実です。
そこで考えておきたいのが、将来的なキャリアプランです。本記事では、フリーランスエンジニアがキャリアパスを考えるべき理由や、代表的なキャリアパス、考え方のコツを紹介します。
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フリーランスエンジニアがキャリアパスを考えるべき理由

フリーランスエンジニアとして日々働いていると、その日の仕事に追われて精一杯で「将来のことまで考える余裕がない」という方も多いのではないでしょうか。しかし、キャリアパスを描くことのメリットは多く、できれば早めに考えておきたいものです。
フリーランスエンジニアがキャリアパスを考えるべき理由としては、次の4つが挙げられます。
目標が明確になる
フリーランスエンジニアがキャリアパスを考えることで、目指すべき道しるべが明確になります。そのため、「今どのような目標に向かっているのか」をはっきりと意識できるようになるでしょう。
会社員エンジニアでもフリーランスエンジニアでも、「目標を明確にする」ことにはたくさんのメリットがあります。年収や職種、ライフスタイルなどの目標を明確に描くことで、なんとなく働いているだけでは見えてこないことが分かるようになるはずです。また、目標に達するまでに必要な要素を逆算して考えることができるため、案件を探すときの指針にもなります。
実現の可能性が上がる
キャリアパスを描くことは目標設定に役立つだけでなく、目標が実現しやすくなるというメリットもあります。たとえ目標を立てたとしても、短期的な目標で目の前のことだけにとらわれていれば、将来的な大きな目標の実現に近づくことはできません。
しかしキャリアパスを考えることで、中長期的な目標を具体的に立てられるようになります。将来的に自分がどのようなエンジニアになっているかをイメージすることは、実現の可能性を高める一歩となります。
モチベーションの向上につながる
キャリアパスを描くうえで、「今の自分では無理かもしれない」と思うこともあるかもしれません。しかし、目標から逆算して「今何をするべきか」「新しくどんなスキルが必要なのか」を把握して、1つ1つの課題をクリアしていけば良いのです。
理想のフリーランスエンジニアを目指していると、つらいと感じる出来事やタイミングが訪れることもあるでしょう。しかし、「自分は〇〇のようになりたい」という気持ちをもつことで、モチベーションを保てるようになります。
目標への高い意欲があるほど理想の実現に近づく可能性は高まるので、好循環が生まれやすくなるでしょう。
長くフリーランスエンジニアとして働ける
フリーランスエンジニアは会社員エンジニアと異なり、「自分自身」で戦っていかなければなりません。そのため、現状維持だけを考えていると市場の変化についていけず、将来的に仕事が減ってしまう可能性も……。
扱える人が少ないスキルやこれから需要が高まるスキルが十分にあれば良いですが、今までと同じように働いているだけでは、変化の早いIT業界での生存競争に勝ち残れるかどうかはわかりません。
キャリアパスを考えることは、フリーランスエンジニアとして少しでも長く働き続けるための道筋を示すことにつながるのです。
フリーランスエンジニアのキャリアパスとは

フリーランスを含むITエンジニアのキャリアパスを大きく分けると、「スペシャリスト」と「ゼネラリスト(ジェネラリスト)」の2つの方向性があります。さらに経験を積むと、「マネージャー」として現場をまとめる立場へのキャリアアップも可能です。
ここでは、フリーランスエンジニアの代表的なキャリアパスの方向性として、スペシャリスト・ゼネラリスト・マネージャーについて詳しく解説します。
①スペシャリスト
スペシャリストは、特定の分野の技術を極める専門家のことです。同じ職種での言語や業務の知識・技術を豊富にもち、専門性を高めます。
1つの分野に対して高いスキルを有するため、将来性のある分野であればスペシャリストを目指すのもよいでしょう。ただし特定の分野を極めるためには粘り強い集中力が必要で、1つのことを深掘りすることが苦ではないエンジニアに向いているといえます。
システム開発の現場で自分の得意とする工程にのみ携わるケースも多く、これまでの延長として専門性を高めるため、比較的目指しやすいといえるでしょう。
②ゼネラリスト(ジェネラリスト)
1つの分野を極めるスペシャリストに対して、ゼネラリストは幅広い知識や技術を有するITエンジニアを指します。特定の工程のみに携わるのではなく、プロジェクト全体を指揮することもあります。
異なる言語が扱えたり異なる職種に対応できたりと、1人で幅広く対応できるITエンジニアはどの業界でも重宝されるため、将来性は高いといえるでしょう。
また、幅広い業務を担当することが多いゼネラリストには、多角的な視点・客観的な意見が求められ、さらに臨機応変に対応できるスキルも必要です。人とやりとりする業務も多いので、コミュニケーションスキルが高い人に特に向いているといえます。
③マネージャー
ITエンジニアのキャリアパスが多様化するなか、スペシャリストやゼネラリストとは異なるマネージャーへの選択肢を選ぶ人も増えています。マネジメントに関連する役割としては、
- プロジェクトマネージャー(PM):プロジェクトの進行を管理する
- テックリード(TL):技術面を支える
- エンジニアリングマネージャー(EM):エンジニアの工数や進捗を管理する
などが挙げられ、どの役割でも幅広い業務をおこなうことが多くなります。
また、この他にもシステムエンジニアを経てコンサルタントとしての経験を積み「ITコンサルタント」を目指すことも可能です。
ITコンサルタントは経営面・現場の両方から企業課題を解決する職種で、ヒアリングから提案、マネジメントまで幅広い業務を担当します。マネージャーとITコンサルタントのどちらを目指すとしても、ITに関する深い理解と幅広いスキルが求められます。
どちらも高いスキルが必要な分、収入アップを目指しやすいキャリアパスともいえます。
フリーランスエンジニアがキャリアパスを考える際のポイント

いくら理想的なキャリアパスであっても、現実とかけ離れたものであれば実現への道のりは険しくなります。そこで、実現可能なキャリアパスを考えるためにも、いくつかおさえておきたいポイントがあります。
ここでは、フリーランスエンジニアがキャリアパスを考える際のポイントを紹介します。
自己分析する
転職活動の際に、「自己分析しましょう」と聞いたことがある人も多いと思います。自己分析は転職だけでなく、フリーランスとして自分自身の能力を最大限活かすためにも有効な手段となります。
自己分析のやり方はさまざまですが、携わった業務を時系列に書き出し、身につけたことや、そのときの行動の振り返りをおこなうことが多いです。
また、マインドマップを使って思考を整理したりツールを使ったりと、自分に合う方法を探してみるとよいでしょう。
目標を設定する
自己分析を踏まえた目標を設定します。目標を立てることでモチベーション維持にも役立ち、キャリアを実現しやすくなります。
また、キャリアパスを考えるうえでは、年齢も考慮しなければなりません。フリーランスを含むITエンジニアは、比較的年齢が重視される職種のため、できるだけ早めにキャリアプランを考えておくのが望ましいです。
ただし、若いうちに目標を絞りすぎると選択肢が狭くなりすぎて、逆に思った道に進めなくなる可能性もあります。そのため30歳前後まではゆとりを持ったプランを立て、柔軟にプラン変更するように心がけましょう。
自分の市場価値を知る
多くのフリーランスエンジニアが活躍する業界内で、自分自身の市場価値がどのくらいかを知っておくことも大切です。現在の市場価値を把握することによって、どのようなフリーランスエンジニアを目指すべきかが明確になるでしょう。
IT業界はトレンドやニーズの移り変わりが早い業界でもあるので、同じスキルでも需要によって市場価値が上下することも考慮しなければなりません。フリーランスエージェントを利用すると、スキルに合った案件紹介が受けられるので、おおよその市場価値を把握することができます。
市場の動向を観察する
フリーランスエンジニアとして長く働くためには、市場の動向を常にチェックしておくことが望ましいです。市場の動向を観察することで、これから需要が高まるスキルや職種などが見極めやすくなります。
将来的に長く活躍できるスキルを身につけることもキャリアパスを描くうえで重要な要素となるため、最新のIT技術に関することやビジネスの情報などは常にキャッチアップするように意識しておきましょう。
理想的なキャリアモデルを見つける
尊敬するITエンジニアなど、理想的なロールモデルとなるような人物を見つけるのもよいでしょう。目標になるITエンジニアがいれば「どうしたらそのようなエンジニアになれるのか」を考えて、その方向に進むための努力がしやすくなります。実際にその人に会える場合は、その人がどんなキャリアプランを立ててどのように歩んできたのかを聞くのも良いですね。
有名なITエンジニアでも良いですが、身近な上司やエンジニア仲間でも構いません。自分から見て、理想的なキャリアを進んでいる人をモデルケースとして見つけてみましょう。モデルケースがあれば、より具体的なキャリアのイメージを膨らませやすくなります。
キャリアパスを実現するために必要なこと

自分が描いたキャリアパスを実現するには、今の自分から変わらなければならないことも多くあると思います。思い描いたキャリアを進みつつ理想のフリーランスエンジニアとして働くためにも、以下の項目を意識しておきましょう。
スキルアップ(自己研鑽)
キャリアパスを実現するには、常にスキルアップを心がける必要があります。すでに今あるスキルでステップアップできるのであれば良いですが、スキル不足では乗り越えるべき壁を乗り越えられないかもしれません。
どのようにスキルアップすべきかや、どのようなスキルを磨くべきかは、描くキャリアパスによって人それぞれです。スキルアップすることは市場価値を高めることにもつながるので、積極的に技術や知識を増やして実務経験を積みましょう。
人脈を広げる
フリーランスエンジニアは組織に所属することはないので、自ら人脈を広げなければなりません。人脈を広げることで案件を獲得しやすくなったり選択肢が増えたりと、目標への道が進みやすくなります。
クライアントやエンジニア同士の交流など、日頃からコミュニケーションを積極的にとるように心がけて人脈を広げていきましょう。
資格の取得を検討する
フリーランスエンジニアとしてキャリアを積むうえで、必須となる資格はありません。とはいえ、資格を取得することで案件の獲得が有利になったり、知識やスキルが向上したりと資格を取得するメリットは多くあります。
資格を取得することで客観的なスキルの証明になりますし、国際的に有効な資格もあります。IT系の資格はさまざまあるので、スキルアップやキャリアパス実現のために検討してみるのもよいでしょう。
マネジメントスキルを身につける
近年ではIT系以外の業界がITエンジニアを求めることも増え、プロジェクトやエンジニアのまとめ役ができるマネージャーは重要な役割として注目されています。そのため、将来的にマネージャーとしての要素が必要な役職・職種を目指すのであれば、マネジメントスキルは必須となります。
プロジェクト全体を俯瞰して見通せる能力や、チームメンバー管理能力、採用や評価、チームの立て直し方などのスキルを磨き、効率よくクライアントが求める成果を達成する意識が大切です。
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まとめ
フリーランスエンジニアとして働いてくと、将来への漠然とした不安を感じることもあるでしょう。しかしキャリアパスを考えておけば進むべき方向性が明確になり、「今何をすべきか」「自分がどこに向かっているのか」がわかりやすくなります。
フリーランスエンジニアのキャリアパスはさまざまですが、目標達成のためにスキルを磨いたり資格を取得したりと、目指したいエンジニア像に近づく手段として考えてみましょう。
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