2020年から流行した新型コロナウイルスによって、リモートワーク(在宅ワーク)は増加する一方です。政府はリモートワークの普及率を7割と目標を掲げていますが、現実過半数の企業が実現に至っていません。
リモートワークを導入している企業にも問題はあります。情報通信事業ツールなどを使って社員の行動を監視している企業もあります。社員としては監視はストレスの元です。
リモートワークが普及していない原因として「社員をひとりひとり監視・管理できない」ことが挙げられます。そこで本記事では、リモートワークの監視は実際効果はあるのか・メリット・デメリットを含めて解説します。
Contents
リモートワークで監視は必要なのか?
リモートワークをする上で社員を監視することは必要なのでしょうか。米調査会社ガートナーによると、企業が監視機能をつけた後、社員の「仕事をしているふり」をしている行為が倍増したと言われています。
リモートワークは一般的に自宅で仕事をします。そのため、社員は部下が本当に仕事をしているのかわかりません。日本のニュースでもリモートワークに飽きてしまい、そのことを「リモートワーク慣れ」と言います。また、リモートワークを行っている過半数の社員は「リモートワーク中にサボったことがある」と答えています。
リモートワークで監視することのメリット
リモートワークで監視することのメリットはどのようなことがあるのでしょうか。代表的なメリット3つを紹介します。
①社員がサボらない
リモートワークで上司が部下を監視することの最大のメリットとして、社員は仕事をサボることができません。上司がICTツール(情報通信事業システム)などを使って、部下のPCがログインしているかを確認することもできます。
リモートワークで監視する最大の目的は社員が勤務中に勝手な行動しないか、上司が確認することです。上司も毎日社員ひとりひとりを監視するのは大変でしょうが、社員にとっても息苦しい時間でしょう。
②社員ひとりひとりの進捗具合がわかる
上司が社員を監視することで、社員ひとりひとりの仕事の進捗具合が把握できます。例えば、会社独自のクラウド内で仕事の進捗を報告することで、上司は社員の仕事へのスピード感がわかります。
同時に、社員の能力(仕事の速さ)もわかるので会社にいる時よりも、社員の働きぶりがわかる可能性があります。社員にとっては部下の能力を見る上で重要ですが、部下にとってはプレッシャーでしょう。
毎日、仕事の進捗を確認されて自身の査定に響く可能性があるからです。一般的に、リモートワークは自宅でゆったりと仕事ができるイメージです。しかし、上司からのプレッシャーがあるので、ゆったり仕事をするとは程遠いでしょう。
③長時間労働の発見・防止
監視をすることで、社員の生産性がわかるので、社員ひとりひとりの長時間労働の発見・防止にもつながります。もし、ひとりの社員が残業が長い場合、就業時間内にどんな仕事をどのようにしていたかを把握することが可能です。
上司にとっては、長時間労働する人を発見し、改善すれば人件費の削減につながります。会社としてはメリットでしょう。しかし、社員にとって毎日監視された挙句、長時間労働だと改善するように言われ頭を抱えることになる可能性があります。
長時間労働がなぜ起こって、どのように改善していくかを社員と一緒に考えるのが上司の役目です。もちろん、それがサボリであれば、社員の責任ですが、サボリでない場合は状況が変わります。原因を一緒に見つけて二人三脚で改善してくことが重要ではないでしょうか。
リモートワークで監視することのデメリット
結論、リモートワークで監視することはデメリットが多いです。デメリットは5つあるのでひとつひとつ紹介します。
①社員に緊張感を与え、生産性が悪化
上司が監視することで、社員に緊張感を与えて仕事の生産性が悪化する可能性があります。事実、リモートワークを導入した企業で生産性が落ちた企業が多いです。
厚生労働省の調査によると、リモートワークを実施している企業の20.6%が仕事の生産性・効率化が悪化していると答えています。もちろん、リモートワークだけの原因ではないかもしれないですが、直接上司や他の社員と会えないことを考えるとリモートワークが大きな原因でしょう。
特に、2021年は新入社員が新人研修を受けずに、そのままリモートワークで働くことも多いです。新入社員は職場での上司の態度が分からないので、特に緊張するでしょう。仕事の仕方も分からず、その結果、仕事への生産性が悪化する可能性もあります。
②仕事へのモチベーションが下がる
リモートワーク中、上司から監視されることで仕事へのモチベーションが下がる可能性があります。監視されることによって、一部の社員は上司におびえながら仕事をしなくてはいけません。いつしか「何のために仕事をしているんだろう」と思う社員も増えていくでしょう。
仕事へのモチベーションは社員にとって、非常に大切です。特に、リモートワークになると上司や他の社員とのコミュニケーションが薄れます。そこで上司はいかに社員ひとりひとりとコミュニケーションを取って、モチベーションや連携を維持することが求められます。
リモートワーク時の監視は確かに、社員の弱点発見や残業時間削減につながるでしょう。しかし、そこだけに固執してしまうと、重要な社員のモチベーションを無くしてしまいます。時間外削減どころか、社員の会社に対しての信頼が失われてしまいます。
③監視により、社員の心身の悪化の可能性あり
監視は勤務中、見られることなので社員の心身の悪化につながる可能性があります。事実、リモートワークの監視体制によって、体調を崩した社員は少なくありません。体調を崩した社員が口をそろえて言うのは「監視されるプレッシャーに耐えれなかった」とのことでした。
厚生労働省の調査によると、リモートワークが始まった2020年と2021年を比べると精神疾患者は約2倍に増えたという事実があります。
もちろん、全体の数なのでリモートワークだけが原因ではありません。外出できない・人と会えないなどさまざまな原因があるでしょう。しかし、リモートワークが始まってからの合算なので、リモートワークが一部の原因となっているでしょう。
社員にとって、監視されるという行為はストレスになることもあります。上司は社員ひとりひとりを見て、ケアをする必要があります。
④プライバシーの侵害になる恐れあり
一般的に、リモートワーク時の監視はPCのログインや仕事の進捗具合です。しかし、一部の企業ではWEBカメラで顔を写すことを要求するところもあります。
ある企業では休憩になってもカメラをONにすることを要求され、外出する際も報告をしなくていけない企業もあります。基本的に、休憩時は社員は自由なので何をしてもいいのですが、上司の行動がいき過ぎるとプライバシーの侵害になってしまいますので注意が必要です。
⑤やりすぎるとパワハラになる可能性あり
上司の監視がいき過ぎると、社員に対してパワハラになる可能性があります。特に、WEBカメラでずっと監視することはパワハラでしょう。社員としては、ひとりで集中して仕事をしたいのに監視によって妨害されてしまっています。
パワハラの判断は、人によって違いますが、監視による心身的ストレスで身体に異変が出てきたらパワハラと言っていいでしょう。その際は、上司の上の人や本社のホットラインサービスに連絡して相談しましょう。
心身的ストレスで身体を壊したら、回復に時間を要します。最悪の場合、うつ病となり長期間仕事を休まなければいけない可能性もあります。もちろん、傷病手当など会社による手当はありますが、一度うつ病になると回復に時間がかかります。
そうなる前に、パワハラだと判断したらすぐに誰かに相談しましょう。
リモートワークで監視することは双方にとってデメリット
リモートワークにおいて、監視体制を作ることは上司・社員双方によってデメリットです。上司は毎日、社員を監視しなくていけないため、体力を消耗します。自分の仕事もあるため、会社にいる時より業務負担がかかるのではないでしょうか。また、普段使い慣れない情報事業通信ツールを使うことになるので、上司自身の仕事の効率性も下がる可能性があります。
社員は上司から監視されるというプレッシャーがあるため、仕事への生産性が落ちる人も出てくるでしょう。また、会社から監視されていることの不信感から、仕事へのモチベーションが下がる社員も出てきます。新入社員や監視されることで過度のプレッシャーになる社員は、ストレスで心身の悪化につながる恐れもあります。
このように、リモートワーク時の監視は上司・社員共に、デメリットが大きいです。最悪の場合、会社の業績の悪化につながる可能性もあります。
リモートワークで優先するべきことは「社員の健康」
リモートワークで優先すべきことは、社員を監視してコントロールすることではありません。重要なのは、社員の健康を維持することです。もちろん、社員ひとりひとりの健康管理が必要になりますが、心の健康は自分では分からない場合があります。
企業や上司は社員の健康を気にしつつ、仕事の進捗確認や定期的に声をかけることに徹した方がよいでしょう。過度な監視は社員を追い詰めるだけです。社員を信頼し、適度に進捗を確認する方が社員にとっては仕事がやりやすくなるでしょう。
仮に、監視が厳しくて耐えられない場合は早く会社に相談しましょう。相談して、放置されたらその会社はそれまでと考えた方がいいです。自分で解決策を探すか、その会社に見切りをつけることも選択肢に入れた方がよいでしょう。
Bizlinkならあなたの働き方にあった案件をご紹介
「いざ、転職となったら転職サービスが多すぎて、どのサービスを使えばいいのか分からない」。このように悩む人も多いでしょう。
Bizlinkはコンサルタントがエンジニアの働き方に合った案件獲得に向けて徹底サポートしてくれます。特に、フリーランスエンジニアになりたい人にうってつけのサービスです。リモートワークができる案件も多数あり、転職したい人に向けてコンサルタントがその人にあった企業を紹介してくれます。
開発者向けの案件だけでなく、デザイナー・コンサルタント・プログラミング案件も多いのでフリーランスエンジニアでない方も、さまざまな選択肢があるので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、こちらから登録すれば無料で登録できるので、リモートワークに悩みを抱えている人はBizlinkに登録してみましょう。
まとめ
リモートワークは一見、自宅で仕事ができて楽というイメージが付きやすいですが、実際はさまざまな弊害があります。特に、上司や他の社員とのコミュニケーションです。
リモートワーク時の監視は日頃から社員とコミュニケーションが取れていれば、必要のないことです。会社として必要であれば、やむ負えない場合もありますが、出来るだけ社員のことを考えてあげましょう。基本的に、監視という行為は社員にとってストレスになるだけです。
会社が何も助けてくれない場合は、自分自身で環境を変えましょう。まずはBizlinkに登録して時間がある時に閲覧するものよいのではないでしょうか。
フリーランスの皆様こんな悩みありませんか?
- 今後の自分のキャリアに悩んでいる
- 自分の市場での価値を上げてみたい
- 独立できるか正直不安だ…
こんなお悩みはBizlinkで解決しましょう!