フリーランスに有給休暇がない理由|効率よく長期休暇をとる5つの方法

フリーランスは、会社員よりも労働時間や休暇を自由に設定しやすい働き方です。しかし、その一方で公的な補償は手薄で、会社員であれば取得できる年次有給休暇もありません。

業務以外の「休み・休暇」は、心身ともにリフレッシュするための重要な時間です。十分な休みを取ることで日頃溜まったストレスを解消し、気持ちを切り替えて仕事に向かうことができるのは、フリーランスも会社員も同じでしょう。

フリーランスに有給休暇がないのは、どのジャンル・業界のフリーランスにも共通することで、正当な理由があります。本記事では、フリーランスに有給休暇がない理由や、効率のよい休暇のとり方、長期休暇をとる際の注意点を紹介します。

フリーランスに有給休暇がない理由

そもそも有給休暇とは、一定以上の期間勤務した「労働者」に対して付与される休暇のことで、労働基準に基づいて適用されます。ただし、有給休暇の対象となるのは「雇い主と雇用関係にある」ことが必要で、個人で事業を営んでいるフリーランスには適用されません。

【有給休暇が付与される要件】

  • 6ヶ月以上継続的に雇用されていること
  • 全労働日の8割以上出勤していること

パートタイムでも要件を満たしていれば有給休暇を取得することは可能ですが、フリーランスで開業届を提出している人は個人で事業を営んでいるという形になり、雇用された労働者という扱いにならないのです。

一方で、個人事業主として他の方を従業員として雇っている場合は、その雇っている方たちが上記の要件に当てはまる場合は、有給休暇を取得させる必要があります。これは法人・個人事業主問わず、従業員を雇用している場合は有給取得義務が発生するためです。

また、フリーランスが案件を受注する際には業務委託となるケースが多く見られますが、業務委託の「請負契約」「委任契約」「準委任契約」のいずれの契約形態でも有給休暇は付与されません。産休や育休、代休など、休みたい理由に関わらず、フリーランスは対象外となります。

契約の種類によっては長期休暇も可能

フリーランスの案件は、成果物の納品によって報酬を受け取る「成果納品型」と、クライアントのオフィスで他の正社員と一緒に業務する「常駐型」の2つに大きく分けられます。

成果納品型は場所や労働時間の規定がないことも多く、リモートや在宅で働きたいフリーランスに人気の案件です。労働時間の規定がないということは、「いつ働いて、いつ休んでも良い」ということでもあり、スケジュールによっては長期休暇をとることも十分可能です。

有給のように休んでいる間に給与が発生することはありませんが、納期さえ厳守できれば時間の使い方は自由です。

一方、常駐型はフリーランスエンジニアの案件に多く見られる契約形態で、たとえば「SES契約」はエンジニアの労働に対する契約となります。成果納品型と大きく異なる点は、成果物の納品義務がないことです。

SES契約の開発現場で業務をおこなう場合、他の正社員やエンジニアと同じ現場で同じように働くため、自由に労働時間を決めたり休みをとることは難しくなります。

また、「精算幅」が提示されている案件であれば、月に最低でも稼働しなければならない時間が決められています。ある程度融通がきくクライアントやプロジェクトの場合は、「精算幅」を超えていれば状況に応じて休暇をとることもできるでしょう。

いずれにしても、長期の休暇を取る場合にはプロジェクトに影響が出ないように事前の相談が必要です。

フリーランスが効率よく長期休暇をとる方法

フリーランスに有給はありませんが、仕事量や働き方が選べるメリットを活かすことで、長期間の休暇をとることは十分可能です。ここでは、フリーランスが効率よく長期休暇をとる方法を詳しく紹介します。

スケジュール管理を徹底する

どの案件でも、決められた業務をスケジュール内でこなさなければなりません。長期休暇をとるとなれば、いつもよりもスケジュール管理を意識する必要があります。

どのようなスケジュールを組むかは業務形態やライフスタイルによっても異なりますが、休みたい日時と日数から逆算して考えてみましょう。

たとえば、「成果納品型」の案件に携わるフリーランスエンジニアが8月10日〜20日まで夏休みにしたいと考えるのであれば、「急ぎの作業」「急ぎではない作業」のように細かなタスクにわけることで、以下のように振り分けることができます。

  • 7月中に終わらせるべき作業
  • 休み直前までに進めておくべき作業
  • 休み明けの21日以降の作業

休暇前のスケジュールを考えるときは、休みの前日までにどこまで進めておけばよいかと、休み明け〜納期までの段取りをしっかり組み立てることが重要です。

一度立てたスケジュールを徹底して守れば、安心して休暇を楽しむことができるはずです。もし可能であれば、いつもなら1週間かかる作業を5日で終わるように工夫してみるのもよいでしょう。

フリーランスエンジニアの時間管理術については、こちらの記事で詳しく解説しています。時間管理に便利なアプリも紹介しているので、あわせてご覧ください。

実際の納期よりも納品期日を早めに設定する

スケジュール管理にも通じる部分ですが、休暇をとる前に納品できる状況であれば、納期よりも期日を早めに設定しておくのがおすすめです。

これはクライアントに「納期を早める相談をしよう」ということではなく、クライアント側との納期は決まった日時のままで、自分の中で納期を前倒しして早めに期日を設けておくのです。

前倒ししてスケジュールを組んでおけば、万が一のトラブルにも焦らず対処できますし、仕事が早く終われば休暇に向けた準備も余裕をもってできるようになります。

クライアントに休む日程を事前に伝える

チームで業務を進めている場合はもちろんですが、1人で業務を遂行している場合も、長期休暇をとる前にクライアントに休暇の日程を伝えておきましょう。

1、2日であれば、急な要件でなければ連絡がこない日もあるかもしれません。しかし、クライアントやチームメンバーから連絡がきてもすぐに返事できない場合、周りに迷惑をかけたりトラブルに発展する可能性があります。

そのため数日続けて休む場合は、できるだけ事前に休暇のお知らせメールやチャットを送っておきましょう。

受注数をおさえる

フリーランスでも長期休暇はとれるとはいえ、当然ながら働いていない間の給料が発生するわけではありません。そのため、「休む分も稼がないと」と思う人も多いでしょう。

しかし、休暇日数が多ければ多いほど、業務に割ける時間は短くなるのは当然です。そのため、無謀な数の案件を確保したり、休みの分まで無理して詰め込んだりしないようにしましょう。

継続案件を安定して確保している場合は、クライアントに休暇をとることを伝えて少し調整してもらえないか相談してみるのもよいかもしれません。

プライベートと仕事を切り替える

フリーランスは会社員のように「〇時から〇時まで働けばよい」という働き方ではないため、休暇中も仕事のことを考えてしまいがちです。

しかし、せっかくの休暇で仕事のことを考えていては、充実した時間が心から楽しめなくなります。休暇中は「今はプライベートを楽しもう!」という気持ちで仕事のことは一旦置いて、目の前のことを楽しみましょう。

また、休暇中だけでなく日頃の気持ちの切り替えが上手になると、心身ともにしっかりと休めるようになり、仕事へのモチベーションが上がりやすくなります。

フリーランスが長期休暇をとるときの注意点

フリーランスが長期休暇をとる際には、いくつか注意しておきたいことがあります。休暇をとったことが原因でトラブルにならないよう、以下の3つのポイントに気をつけましょう。

他の人に仕事を代わってはもらえない

フリーランスは個人で働くことになるので、会社員のように「社内の誰かに代わりにやってもらう」ことはできません。

必要に応じてフリーランスから外注に仕事を回すことはありますが、外注を使うと費用がかかるため自分自身の手取りは減ってしまいます。

そのため、自分の仕事は最後まできっちりと自分で終わらせる必要があり、長期休暇だからといって適当な仕事をしていては信頼を失いかねません。

場合によってはスケジュールや納期を変更してもらえることもありますので、どうしてもというときは早めに相談しておきましょう。

休み明けの切り替えが難しい

長い休みのあとは、誰でも切り替えが難しいものです。しかし、在宅で働くフリーランスの場合、周囲の目がないことから、休みモードが抜けずにダラダラしてしまう人も少なくありません。

会社勤めであれば周りからの刺激によって仕事モードに切り替わるものでも、自宅で1人で仕事をしていると、つい休暇中の楽しい時間に思いふけってしまうこともあるでしょう。

切り替えが難しいと感じるときは、カフェやコワーキングスペースに行って作業するなど、周囲の目がある場所やサボれないと感じられる場所に身を置くのもおすすめです。

病気やケガをしないように気をつける

フリーランスの中には、休業補償がない状態で働いている人も多いと思います。会社員であれば病気やケガをした時に手当が受け取れますが、フリーランスには加入義務とされる社会保険はありません。

そのため、任意で加入できる保険に入っておかなければ、病気やケガで休んでいる間の収入がゼロになってしまいます。楽しい休暇中に思わぬ病気にかかったり、ケガをして業務ができなくなれば、生活にも大きな負担がかかります。

近年ではフリーランスの増加に伴い、任意の所得補償保険サービスや健康保険の負担を軽減できるサービスなども増えてきたので、積極的に利用するとよいでしょう。

フリーランスの休み方のパターン3つ

次に長期休暇ではなく、普段の休み方のパターンもみていきましょう。どのようなペースで働いて、どのような休み方が合うのかは人によって異なります。

以下に代表的な休み方のパターンを3つ紹介しますので、ご自身の希望に合う方法を試してみてください。

土・日・祝日に休みたい場合

世間の休みにあわせて、土日祝を休みに設定したいという人は多いと思います。とくに子供がいたり正社員で働くパートナーがいたりすると、休みをできるだけ合わせるほうが都合が良いことも少なくありません。

また、多くの企業は土日休みとなるため、クライアントの休みに合わせるという意味でも暦通りの休みは効率が良い休み方と考えられます。

土日祝を休みにしたい場合は、平日にどれだけ作業できるかがカギとなります。月曜〜金曜まで一週間ごとのスケジュールをしっかり考えて、そのスケジュールに沿って働くと土日祝に休みが取りやすくなります。

休みたい日数を先に決める場合

一週間のうちに、何日働いて何日休みたいかを先に決めておく方法です。たとえば、「週4日働きたい」という場合、「休みは週3日」となります。

週3日の休みをまとめてとるかバラけさせるかは好みや都合によりますが、稼働日(と同時に休みの日数)を先に決めることで、スケジュール管理が容易になります。

また、休日が多いと趣味や勉強に使える時間が増えるため、自己成長にもつなげやすくなるでしょう。

1日の稼働時間を短くしたい場合

「午前中のみ」「午後のみ」など、1日の労働時間を短くしたい場合は、働く日数を増やしつつ1日の稼働時間を減らすという方法があります。

1日の稼働時間が短く同じ業務量であれば、必然的に働く日数を増やさなければなりません。ただ、日々自由に使える時間が長くなるため、基本的な家事以外にも子育てや介護とフリーランス業務を両立したい人向きといえるでしょう。

休暇を取りながら働きたいフリーランスには『Bizlink』

フリーランスは自分で仕事量や休暇をコントロールできるものの、案件探しが重要なカギとなります。また、フリーランスといっても「エンジニア」「デザイナー」「コンサルタント」「動画編集者」「ライター」など、職種はさまざまです。

フリーランスエージェントの『Bizlink』では、エンジニアやデザイナー、コンサルタント、マーケターなど、IT業界の幅広い職種の案件を扱っています。

『Bizlink』では高単価なフルリモート案件も多く、スケジュールを管理しながら働くことが可能です。1案件の単価が高いことで、「休暇中の収入がない」という不安の軽減にもつながりやすくなります。

また、1つの案件が終了してもコンサルタントに相談することで、次の案件が探しやすくなるのも大きなメリットです。長期休暇を希望する場合は、面談の際に定期的に休暇を取りたい旨を伝えておきましょう。

『Bizlink』への登録・面談は無料です。以下のリンクから無料登録後に希望にマッチする案件を探してみてください。

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まとめ

フリーランスが使える有給というものはありませんが、ちょっとした工夫で長期休暇をとることは十分可能です。まずはスケジュールをしっかりと管理し、周囲の迷惑にならないように心がけましょう。

また、長期休暇をとるのであれば、事前にクライアントに伝えておき、信頼関係が崩れないように配慮することも大切です。休暇をとることで収入の不安を感じる人は、『Bizlink』で高単価案件を探すのもおすすめ。仕事とプライベートのバランスを上手にとり、フリーランスとして充実した日々を過ごしましょう。

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