フリーランスエンジニアこそリスキリングは必須!|方法や対象スキルまで解説

フリーランスにとって、どのようなスキルを持っているかは収入に大きく影響します。実際、日々スキルをアップデートしていかないと、どんどん新しい知識を知っている人に仕事は割り振られてしまいますよね。

また、近年多くの業界でIT技術が取り入れられている背景からも、「リスキリング=”学び直し”」が企業やフリーランスに推奨されています。
2022年には、リスキリング支援として5年間で1兆円投じると政府が表明しており、今後フリーランスとして長く働き続けるためにも、積極的にリスキングに取り組みたいところです。

本記事では、リスキリング実施者の多いITエンジニアを対象に、リスキリングの概要から取り組む手段、目的、対象スキルを紹介します。
フリーランスエンジニアとして今後も成長し続けたい人や、リスキリングに興味がある人はぜひ参考にしてください。

リスキリングとは?

リスキリング(Reskilling)は、「新しい職業に就くため、もしくは現職の大幅な変化に対応するために必要なスキルを習得すること」です。

世界経済フォーラムが実施するダボス会議では、「リスキリング革命」として2030年までに全世界で10億人をより良い教育や仕事を提供するためにリスキリングすると宣言しています。

その背景にあるのが、「第4次産業革命」と呼ばれる今のデジタル時代です。同会議では「数年で8,000万件の仕事が消失する一方で、9,700万件の新たな仕事が生まれる」と予測されており、今後の人材戦略として世界的な取り組みが推進されることになりました。

アメリカでは、AmazonやWalmart、Microsoftをはじめとする大企業がリスキリングに注力しており、日本でも日立製作所や富士通などの企業でDX教育による内部強化が進められています。

(参考:リスキリングとは ―DX時代の人材戦略と世界の潮流―

たとえば、これまで業務で使ってきた方法やシステムをIT化する際、業務に携わるすべての人が使いこなせる環境を整えなければなりません。とくにIT業界ではない分野では、デジタルそのものに苦手意識を持っている人も少なくないため、「一部の従業員以外はシステムを理解していない」という状況が生じてしまいます。

しかし、DX化を推進するには担当者や社内の従業員全員がシステムを理解して、使いこなすスキルを持つ必要があります。そこで、現在ではすべての従業員が新しいシステムを活用できるように、企業は学習機会を設ける必要があるのです。

リスキリングは企業単位での取り組みがフォーカスされがちですが、フリーランスとして働く個人にもDX化への対応は必須といえます。とくにエンジニアなどのIT業界では、技術の変化が早いためにリスキリングに取り組む人も増加傾向にあります。

リカレント教育との違い

リスキリングと比較されるものに、リカレント教育があります。「リカレント」とは「繰り返す・周回する」を意味する言葉で、教育の現場においては学び続けることを意味します。

ただし、一旦職を離れるかどうかという点において、リカレント教育とリスキリングは決定的に異なります。リカレント教育は、新しいスキルを身につけるために一度職から離れることが前提の考え方ですが、リスキリングは現職についたまま取り組むこともあります。

スキルアップとの違い

知識を増やすという意味の言葉には、リスキリングよりも我々にとって馴染み深い「スキルアップ」という言葉もあります。リスキリングは仕事に必要なスキルを学ぶことを意味するため、スキルアップの一部と考えて差し支えないでしょう。

ただし、リスキリングは新しい技術に対応する人材を教育する、もしくは個人で学ぶという意味を指します。単に学び直すことを目的とするのではなく、「さらなる価値創造のため」に必要なスキルを学ぶ意味合いが強いとされています。そのため、リスキリング後に全く異なる業種へ転身することも可能です。

フリーランスエンジニアがリスキリングに取り組むメリット

リスキリングはIT業界以外の全人材を対象としている取り組みですが、とくにフリーランスとして働くエンジニアにとって、どのようなメリットがあるのでしょうか?

リインフォースが、フリーランス・副業・複業人材1,053人を対象にリスキリングに関する調査をした結果、91.9%が「成果があった」と回答したとのことです。

具体的な成果の内容としては、次のような項目が挙げられます。

  • 専門知識が身についた
  • 仕事の幅が広がった
  • 資格が取得できた
  • 収入が増えた
  • 仕事の依頼が増えた

また、収入・仕事の依頼が増加したと答えた人は全体の41.7%にのぼり、リスキリングによる収入アップに期待できる結果となりました。

(参考:リスキリングに関するアンケートレポート【vol.2:成功者の深堀り】

フリーランスという働き方は不安定で、年齢による仕事量の変化もめずらしくありません。リスキリングをおこなったITエンジニアの多くが「取り組んでよかった」と考えていることから、フリーランスとして働くエンジニアの底上げとして有効であることは間違いないでしょう。

フリーランスエンジニアのリスキリングの方法と対象スキル

スキルを伸ばす方法はさまざまありますが、すでにリスキリングを実施したエンジニアがどのような手段を選んだかを知っておくと、今後の役に立つはずです。

ここでは、先ほどと同じくリインフォースがフリーランスや副業をしている人材を対象におこなった調査から、エンジニア・技術開発系の人材に絞った情報を紹介します。

リスキングを行う方法

リスキリング実施者のうち、エンジニアや技術開発系で働く人が活用した方法は次のとおりです。(複数回答可)

リスキング取り組み時の方法割合
eラーニング44.3%
オンラインセミナー41.9%
社会人大学25.3%
研修19.0%
オンラインサロン19.0%
読書19.0%
動画サイト(YouTube、Udemyなど)17.7%
副業(複業)16.5%
オーディオブック15.2%
転職12.7%
メンター12.7%

参考:リスキリングに関するアンケートレポート【vol.3:職業別の深掘り】

複数回答可のアンケートのため、1人が複数の手段を使って学習していることが上記の表からわかります。また、オンラインサービスが増えていることから、自宅で学習できる「eラーニング」や「オンラインセミナー」が上位の結果になっていますね。

次いで「社会人大学」や「研修」「オンラインサロン」が同列、さらに読書・動画サイトを使って独学する人も多いようです。

学習対象スキル

次に、リスキリングを実施したエンジニア・技術開発系が、どのようなスキルを学び直したのかをみていきましょう。

対象スキル割合
情報セキュリティ44.3%
プログラミング41.9%
データ分析・統計分析39.2%
コンサルティング24.1%
Web・動画制作22.9%
プロジェクトマネジメント20.3%
デザイン16.5%
デジタルマーケティング15.2%
Web3.0・メタバース13.9%
語学12.7%
仮想通貨・NFT12.7%
AI・機械学習11.4%
その他1.3%

参考:リスキリングに関するアンケートレポート【vol.3:職業別の深掘り】

「情報セキュリティ」と「プログラミング」、「データ分析・統計分析」がTop3の結果になりました。また、動画制作やデザイン、仮想通貨などのスキルが選ばれているのも現代の社会の情勢に即しており、注目ポイントといえるでしょう。

リスキリングに取り組むステップ

すでにリスキリングを実施している企業では、教育プログラムの作成やe-ラーニングによる社内教育、研修制度を設けて講習会をひらくなどの事例があります。

基本的に、リスキリングの概念や目的は企業も個人も変わらないため、フリーランスは自分で学び直す機会をつくることから始めるとよいでしょう。

ここでは、個人でリスキリングに取り組む例として、始め方を5ステップで紹介します。

①何を習得するかを決める

まず、どのスキルを習得する(し直す)かを決めましょう。今の職種でさらにスキルの幅を広げるのも良いですし、全く異なる職種のスキルを選ぶこともできます。

たとえば、現在システムエンジニアを中心に行っている人でマーケティングやマネジメントなどに興味があれば、その周辺知識はプロジェクトマネージャーへのステップアップにつながるでしょう。

どのスキルを習得するにしても、目的を明確にすることが大切です。

②学習の手順・プログラムを考える

対象スキルを決めたら、次にどのプログラムで学習するかを考えましょう。働きながら学ぶことは、思っているよりも時間的な負担が大きいものです。

現状でもっとも効率よく習得できる手順やプログラムを選ぶと、負担を軽減しながら進められるはずです。

③手段・教材を選定する

次に、何を使って学習するかを決めましょう。e-ラーニングやオンラインセミナーであれば、自分の好きな時間に取り組むことが可能です。並行して書籍で学ぶのもよいでしょう。

また、「挫折しそうで心配」という場合は、サロンやコミュニティに所属するのもおすすめです。同じように頑張っている人たちと交流することにより適度なプレッシャーも得られるので、1人で取り組むよりも継続しやすくなります。

④学習する

ここまでで選んだ手順やプログラム、教材を使って、実際にスキルを学んでいきましょう。本業を続けながらリスキリングする場合は、無理なく学べる環境作りも大切です。

⑤身につけた知識を実践で活用する

リスキリングに取り組んだら、身につけた知識が使える案件にチャレンジするなど、活用の場を作りましょう。実践することによって、学んだスキルが本格的に「自分のもの」になります。

学ぶだけでなく、習得したスキルをしっかりと業務に反映することこそ、リスキリングの最大の目的といっても過言ではありません。

リスキリングへの補助金・助成金制度について

企業もしくは個人で学習するとなれば、教育費やレッスン代、書籍代などの費用がかかります。また、リスキリングは政府が推奨していることもあり、補助金や助成金などの支援制度が設けられています。

リスキリングへの補助金・助成金には以下の3つがあり、このうち個人事業主でも申請できるのは東京都が実施する「DXリスキリング助成金」と「教育訓練給付金」の2つです。

  • DXリスキリング助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 教育訓練給付金

DXリスキリング助成金は東京都内の中小企業や個人事業主を対象としたものと、その従業員を対象にしたものがあります。また、教育訓練給付金は、原則「現在まで雇用保険に3年以上加入している」もしくは「離職後1年以内で雇用保険に3年以上加入していた」のどちらかが申請条件となります。

申請には要件すべてを満たす必要がありますが、対象者であれば受講費用の一部を支給してくれるなど、費用負担をおさえることが可能になります。

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「フリーランスは自由な働き方ができる」というメリットがある一方で、スキルがなければ案件を獲得できず収入につながりません。とくにAIの進歩が目覚ましい今、フリーランスエンジニアのスキル向上は非常に重要なポイントといえるでしょう。

今後、どのようなフリーランスエンジニアでいたいのかを明確にすることで、自然と学ぶべきスキルが見えてくるはずです。現在のスキルを活かしつつ、さらに高みを目指したいエンジニアには、フリーランスエージェントの『Bizlink』がおすすめです。

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まとめ

「リスキリング」という言葉はまだまだ浸透しておらず、正しく意味を理解できていない人も多いと思います。「学び直し」を意味するリスキリングは、さまざまな業界でのDX化に対応する人材を育成することに重きをおくものです。

全体から見ればまだ少ないものの、ITエンジニアのなかには自主的にリスキリングに取り組んでいる人も増えています。変化の早い現代で生き残るためにもスキルを学び直し、フリーランスエンジニアとして長く活躍できる人材を目指しましょう。

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